低栄養とは… エネルギーとたんぱく質が欠乏した状態、健康な体を維持し活動するのに必要な栄養素が足りない状態をいいます。

「栄養 負のスパイラル」 低栄養から筋肉量が減少し、ADLが低下すると転倒などのリスクが増加します。
また、免疫機能が低下し、感染のリスクが高まります。
一度この悪循環に陥ると、なかなか元に戻せないことから、これを「栄養 負のスパイラル」と呼んでいます。

低栄養が進行すると回復に時間がかかるため、早期の栄養介入が大切です。
また、介入後も栄養状態をある程度観察・評価することができれば、退院後に居宅管理となった場合でも、栄養ケアの継続が可能です。

高齢者の栄養状態を評価する指標…MNA®(簡易栄養状態評価)
下記A〜Fの質問に回答し、答えの左にあるポイントを足して合計を出します。
A 過去3ヶ月間で食欲不振、消化器系の問題、そしゃく・嚥下困難などで食事量が減少しましたか?
0 = 著しい食事量の減少 1 = 中等度の食事量の減少 2 = 食事量の減少なし
B 過去3ヶ月間で体重の減少がありましたか?
0 = 3 kg 以上の減少 1 = わからない 2 = 1~3 kg の減少 3 = 体重減少なし
C 自力で歩けますか?
0 = 寝たきりまたは車椅子を常時使用 1 = ベッドや車椅子を離れられるが、歩いて外出はできない 2 = 自由に歩いて外出できる
D 過去3ヶ月間で精神的ストレスや急性疾患を経験しましたか?
0 = はい 2 = いいえ
E神経・精神的問題の有無
0 = 強度認知症またはうつ状態 1 = 中程度の認知症 2 = 精神的問題なし
F1 BMI (kg/m2):体重(kg)÷身長(m)2
0 = BMI が19 未満 1 = BMI が19 以上、21 未満 2 = BMI が21 以上、23 未満 3 = BMI が23 以上
F2  BMIが測定出来ない方は、ふくらはぎの周囲長を測定してください。ふくらはぎの周囲長(cm) : CC
0 = 31cm未満 3 = 31cm以上

A〜Fの回答の合計ポイントから、下記の栄養状態に分けられます。

12ポイント以上の場合、現時点では栄養状態良好です。
8~11ポイントの場合、低栄養のおそれがあります。「体重減少」の有無により、適切な栄養ケアがすすめられます。
0~7ポイントの場合、低栄養と評価され、栄養介入、頻回な体重測定、そして詳細な栄養アセスメントが必要です。