今回は動脈硬化を予防するお弁当をご紹介します。
(3/18大阪府内科医会主催の市民講座で用意したお弁当です。)
まず、最初に動脈硬化の説明を少々・・
動脈が年齢と共に老化し、弾力が失われて硬くなったり、動脈内にさまざまな物質が沈着して血管が狭くなり、血管の流れが滞る状態を動脈硬化と言います。動脈硬化が起きても、自覚症状がなく知らず知らずのうちに進行していき、ある日突然、狭心症、心筋梗塞や脳梗塞などの重大な症状が起きます。そうならないようには、食事や運動などの生活習慣を変えるなど注意が必要です。動脈硬化の予防には、悪玉コレステロール値を上げる卵やバター、肉などの動物性脂肪を摂りすぎないように注意し、マーガリンやサラダ油など植物性脂肪からできたものを利用し、魚や大豆を増やすようにします。鰯や鯖など青魚の脂肪に多く含まれるEPAやDHAにはコレステロールを下げると共に血液がかたまりにくくする働きがあります。そして食物繊維の豊富な食品を摂ることが必要ですね。食物繊維は小腸でコレステロールの吸収を防ぎ排泄する働きがあります。そしてストレスの解消と、運動に禁煙、と言われています。
そこで今回のお弁当も食物繊維に注目してみました。
〜こころと血管を丈夫にしましょう〜
豆ご飯 グリーンピース 15g
酒 1g
塩 0.5g
米 70g
☆グリーンピース☆ 【この食材に注目!】
グリンピースは食物繊維が豊富で、豆の中ではトップクラスです。ビタミンB群、ビタミンC、カリウムも多く含みます。
おから入りミートローフ カレーソテー添え
合びきミンチ 30g
おから 7g
玉葱 20g
牛乳 4g
卵 7g
パン粉 3g
塩 0.1g
こしょう 0.01g
ナツメグ 0.01g
油 1g
トマトケチャップ 10g
ブロッコリー 20g
ミニトマト 10g
玉葱 20g
キャベツ 10g
カレー粉 0.1g
塩 0.05g
油 0.1g
☆おから☆ 【この食材に注目!】
おからに含まれる「レシチン」は不飽和脂肪酸で、血管に付いたコレステロールを溶かし血液の流れを良くしたり、固まるのを防ぐ働きがあります。また、大豆サポニンは血管についた脂肪を掃除し、活性酸素の働きを抑制します。
☆玉葱☆ 【この食材に注目!】
悪玉コレステロールを減らす成分「ケルスチン」と、血液をサラサラにする成分「硫化アリル」が含まれます。このダブル作用で動脈硬化を防いでくれます。今回はこの玉葱をミートローフに、カレーソテーにとたっぷり使ってみました。
ここがポイント!
・おからを入れることでミンチの量を減らせますのでカロリーダウン!
ただしおからを入れすぎるとミートローフが崩れやすくなります。
炊き合わせ
高野豆腐 5g
さつま芋 13g
レンコン 20g
こんにゃく 20g
生麩 3g
ふき 10g
濃口醤油 7g
みりん 3g
☆さつま芋☆ 【この食材に注目!】
さつま芋のビタミンCは加熱しても壊れにくいと言われます。ご存知、食物繊維の宝庫。
菜の花のツナ和え
菜の花 30g
ツナ水煮缶 6g
濃口醤油 1g
☆ツナ☆ 【この食材に注目!】
青魚に含まれるDHAがコレステロールを低下させてくれます。今回は手軽にDHAを摂取できるツナの缶詰を利用しています。ツナの油漬けではなく水煮缶を使用しています。水煮缶に塩分が含まれますので作る際はしっかり水気をきって、お使いください。
筍のオイスターソース炒め
筍 15g
ピーマン 5g
赤ピーマン 5g
牛肉(もも) 10g
生姜 1g
油 0.5g
オイスターソース 2g
砂糖 0.8g
濃口醤油 1.8g
こしょう 0.01g
☆たけのこ☆ 【この食材に注目!】
たけのこを切ると出てくる白い粉は、「チロシン」と呼ばれる神経伝達物質です。チロシンは脳に送り込まれると脳が活性化し、やる気を起こさせます。このチロシンは糖質と一緒に摂ると効果的にやる気を出すことができます。筍でストレスに強い体をつくりましょう。
もずく酢
もずく 20g
胡瓜 5g
砂糖 2g
酢 3g
☆酢☆ 【この食材に注目!】
酢には血流を改善する効果があり、高めのコレステロール値や血圧・血糖値を下げる効果も。
オレンジ羹
オレンジ100%ジュース 30g
寒天 1g
☆寒天☆ 【この食材に注目!】
100g中80.9gとあらゆる食品の中で食物繊維を一番多く含んでいます。悪玉コレステロールを減らす効果があります
☆オレンジ☆ 【この食材に注目!】
オレンジに含まれるビタミンPがビタミンCの働きを助け血管を丈夫にしてくれます。いちごのビタミンCも効率良く利用できます。
フルーツ
いちご 20g
さて、最近おからクッキーがダイエットする人に注目を浴びていますが・・・おからは食物繊維が多く、お通じを良くし、また、水分と一緒に摂取することでおからが水分を含み満腹感が得られることで食べ過ぎ防止ができます。おからと言えば「卯の花の炒り煮」が真っ先に思い出されると思いますが、このようにミートローフに入れたりハンバーグやコロッケなどに入れてもらっても構いません。最近では乾燥おからも商品として出回っていますので乾物感覚でお台所にストックしていても良いかと思います。ただ乾燥おからは水分を思いのほか吸収しますので少し注意が必要です。クッキーをしっとりしたおからで焼く場合は水分が多いので、小麦粉と混ぜる前にお皿に広げラップをせずに1〜2分加熱して水分を飛ばしてから使いましょう。
もう一つ、食物繊維の多い食材「寒天」を取り入れております。デザートにご用意致しました、「オレンジ羹」です。食物繊維の多い食材といえばごぼうやセロリなどを想像しがちですが、意外なことに寒天がトップとなっています。海藻などに含まれる食物繊維には特に血圧降下作用、コレステロール低下作用があることが実験で明らかになっています。今日はオレンジ羹としてデザートでお出ししましたが、デザート意外にも料理にももちろん使えます。出し醤油を作って寒天で固めたものを細かく刻んで醤油かわりに冷奴や和え物に使ってみたりするのも良いかと思います。最近では手軽に使える粉寒天がありますので利用してみてはいかがでしょうか・・。
動脈硬化予防には「鰯や鯖など青魚の脂肪に多く含まれるEPAやDHAが良い」といわれますが、理想的なDNAの摂取量は1日に1から1.5g。焼いた秋刀魚なら約半分、こぶりの鰯なら約2尾です。刺身であればマグロのトロで4〜4切れ、ぶりで6〜7切れになります。
手軽に摂取できる加工食品としては魚の缶詰があります。ただし蒲焼や味噌煮の缶詰は塩分が気になりますので摂りすぎには注意が必要です。