先日、古くから知り合いのケアマネさんから、「株取引についてわかる範囲で教えて欲しい」と電話がありました。
聞けば、現在認知症を発症されている利用者の奥様からの相談とのこと。
奥様は「ご主人が保有している株式について確認したいことがあったので、取引証券会社に問合せしたところ、資産を凍結されてしまった」とのこと、奥様も何が起こったかもわからず困りはて、ケアマネさんに相談したようです。
もちろん私はど素人なので、その道の知り合いに連絡して聞いてみました。
簡単に結論を言うと、口座を停止されたのは、ご主人が認知症で、自分で判断出来ない状態であるということを、奥様が問合せしたことで証券会社が認識したからです。
死亡した際に、銀行に連絡を入れると資産が凍結され、預金などを引き出せなくなりますが、それと同じです。認知症になったら、すべて口座が凍結されるわけではありませんが、「口座名義人が認知症で意思能力がない」と銀行や証券会社が認識した場合は凍結されるのです。
銀行や証券会社が口座を凍結するのは、意思能力(自分の行為の結果を理解し、判断できる能力)のない口座名義人が財産を失うことを防ぐためです。
認知症の発症前であるならば、法定後見人や任意後見人をつけたり、代理人契約を結んでおくなど対応方法があるようですが、資産凍結された後の対応は出来ることがかなり限られるようです。
今後、奥様は司法書士の方に相談され今後の対応について協議をされるそうです。
しかしこの話、本当に他人事ではございません。自分のこととして想像すると、財産がなさすぎて笑ってしまうのですが、健康寿命が長くなればなるほど、日本中で同様のケースが増えてきます。ましてや預金と違って株式は価値が上下するもの。早めに家族間で話し合っておくことをおすすめします。
はあとワン