寒さも日に日に厳しさを増し、冬本番です。体調を崩されてはいませんか。今年も残りわずかとなりましたが、皆さまはこの一年をどのように過ごされてきたでしょうか。私は5月の連休明けから、はーと&はあとで勤めさせていただくことになり、生活のリズムが大きく変化した年となりました。去年の今頃は仕事に復帰している自分など想像もできませんでしたが、家庭との両立が忙しい中にも、訪問で利用者様やご家族様に会える楽しさを日々感じさせていただいています。
そんな私のコミュニケーションについての話を聞いてください。我が家の一番上の娘は、重度の知的障害があるため、ことばの理解にかなり制限があり、話すこともできません。そんな娘と私たち家族はコミュニケーションをとるために、顔の表情や仕草などに頼るしかありません。娘は人と触れ合うことが好きで、いつもニコニコしています。歌を聴いたりことばにならないもののメロディーを歌うことが大好きです。そんな娘が笑顔を見せなかったり、食事を食べたがらなかったりといったいつもと違う様子を見せた時に、私たちは娘の体調の悪さに気付きます。大好きな歌のDVDを買ってもらった時、大好きなお散歩へ出かける時、娘は満面の笑顔にキャッキャと大きな声を出して飛び跳ねて喜びを表現します。そこにことばはありませんが、気持ちはたくさん伝わってきます。
私がリハビリのために訪問させていただいている利用者様は、脳卒中などの病気によって言語障害や嚥下障害のある方たちです。皆さん症状は様々ですが、言語障害があると、相手の話がうまく理解できなくなったり、自分で考えていることをうまくことばで伝えられなくなったりします。言語聴覚士は言語障害の機能回復や機能維持を目的に訓練をさせていただきますが、それにプラスしてコミュニケーションの大切さを伝えさせていただいています。ことばは深く、コミュニケーションの貴重な手段です。でも、コミュニケーションの手段はことばだけではありません。顔の表情や仕草はもちろん、指差したり、絵で表現したり。ことばが使いにくくなってしまったために、コミュニケーションを取ることを諦めてほしくないのです。
娘はトイレに行きたい時、お腹をポンポンと叩いて教えます。ことばにはかなわないかもしれませんが、手段にこだわらず、伝えることと伝わることを大切にしていただきたいと思います。