こんにちは。作業療法士の山﨑です。
今回は、ご自宅でも簡単に無理なく行える「棒体操」をご紹介したいと思います。特に肩の体操は、ストレッチ効果が期待され関節の動きが良くなったり、筋力の増強にも繋がったりと、自宅でも簡単に取り組んで頂ける体操です。片麻痺がある方は筋力に左右差があっても、麻痺側と反対側の手で補助しながら行うことが出来ます。
実際のご利用者様のご様子と、体操に使用する「棒」の作り方、肩の体操の方法ご紹介します。
80代のパーキンソン病の男性と棒体操を行い、方法を覚えてもらい毎日各体操5~10回程度続けてもらうようお伝えしました。その日の状態に合わせて、体操に取り組んでもらいました。日により出来る日と出来ない日があると言っておられましたが、次の訪問時には以前よりも腕がよく上がるようになっておられました。奥様と一緒に続けた効果が出ているなと、リハビリ時に取り組むだけではなく、ご自宅でも毎日続けることが本当に大切なんだと改めて実感することが出来ました。ベッドの横など目に入る場所に棒が置いてあることで、日々の習慣に繋がったのではないかと思います。
●「棒」の材料と作り方
材料:・新聞紙1~2日分(太さによって)・ビニールテープ・ガムテープ
作り方:
①新聞紙を端(開く方)から順に丸めていきます。
②ビニールテープで止めます。
⇒更に③両端をガムテープで貼り、全体をビニールテープでぐるぐる巻きにすると、より綺麗に仕上がり耐久性もアップします。
※握りやすい太さに合わせて新聞紙の量を調節して下さい(重くなり過ぎても使い難いので)
●棒を使った体操(肩の体操)※座ったままでも寝ていても体操が行えます。
棒は肩幅程度の位置を持ち、体操は息を止めないように自然な呼吸を心掛けましょう。
痛みに注意して無理のない範囲でゆっくりと取り組んで下さい。
①上に伸びをするように上げていきます。
②胸の前から肘を伸ばし、肩甲骨から前へ押し出すようにします。
③腕を伸ばした状態で、右側へねじります(左側も同様に)。
※座って行う場合は④頭の上に手を伸ばした状態から、首の後ろに下ろしていきます。
棒を作るのが大変という方は、タオルを使って頂いてもかまいません。
ここで紹介させて頂いた運動の他にも、バランスを鍛える体操や足の体操、手指の体操等まだまだ多くの種類があります。使い方は、工夫次第ですので、ぜひ自分にあった体操を見つけて試してみてくださいね。ちなみに...肩など凝っている所を棒でトントンと叩くだけでも、程よい硬さで気持ち良いですよ。