「肩が凝る」
実は、この言葉を最初に使ったと言われているのが、明治の文豪、夏目漱石だと言われています。漱石の「門」という小説の中に「首と肩の継ぎ目の少し背中によった局部が石のように凝っていた」という一節があるそうです。ちなみに江戸時代には「肩が張る」「肩がつかえる」「肩がつまる」などと表現されていたみたいです。いずれにしても、現代病かと思われていた肩こりが、遥か遥かご先祖様までさかのぼり苦しめていたのです。
さて、この肩こりとは一体どうして起こるのでしょうか?
人が二足歩行を行うようになった事で、重たい頭と腕を肩で支えて立たなければならなくなり、人体の構造的にもともと肩周辺の筋肉が緊張しやすい状態にあります。
この構造的な要因に加え、同じ姿勢で長時間いる、姿勢不良(猫背・前かがみ)、運動不足、眼精疲労、ストレス、冷え、血圧などがあげられます。
これらの要因によって、肩周辺の筋肉の筋肉疲労と血行不良が起こり、肩こりを招きます。
肩こりの原因となる筋肉の多くは肩甲骨につながっている為、肩甲骨まわりをほぐす事で肩こりが改善すると言われています。
最近ではスマホなどで検索すると、簡単に色んな種類の肩甲骨の運動を知ることが出来ますが、自分自身の経験上、2種類くらいの運動が長く続けやすいと思いますので、今回はおすすめの2つの運動を紹介したいと思います。
【両肩をすくめる運動】
5〜10回程度行います。
① 顔を正面に向け、両肩を耳に近づけるように上げて3秒キープします。
② 3秒キープしたら、肩を落として脱力します。
【肘を大きく回す運動】
5〜10回程度行います。
① 両肩先に指先を付けます。
② 可能な限り、肘を大きく回し、肩甲骨が動いていることを感じます。
朝起きた時、仕事の休憩の合間、お昼ご飯を食べた後など、毎日の生活の中に運動を取り入れ、長く続けてもらえたらと思います。