森林浴について

ツリー枠 真っ直ぐ.jpegのサムネイル画像 こんにちは。看護師の山岸です。今年も残り少なくなってきました。訪問の移動中バイクに乗りながら、最近やっと色付いてきた木々や冷たくなった風を肌で感じ、四季の移り変わりを実感しています。

 さて私は幼少期から自然と触れ合うことが好きです。特に木々に囲まれている場所やあまり整備されていない田舎道は、まるで冒険家のような気分になって、大人になった今でもワクワクします。そして自然と触れ合った後は気持ちがスッキリしていることが多いです。                                                  突然ですが皆様は、森林浴という言葉をご存じでしょうか。「森林浴」という言葉は1982年に日本で提唱された言葉だそうです。

森林浴・・・森林に入り、清浄な空気を呼吸し、その香気を浴びて心身の健康をはかること

森林セラピー・・・科学的な証拠に裏付けされた森林浴効果のこと

森林浴の効果として以下が挙げられています。

・NK(ナチュラルキラー)細胞(免疫細胞の一つ)の活性化➡免疫力の向上、抗がんタンパク質の増加

・交換感神経活動の低下➡ストレスを軽減森林浴イラスト.pngのサムネイル画像のサムネイル画像のサムネイル画像のサムネイル画像のサムネイル画像のサムネイル画像

・副交感神経活動の上昇➡リラックス効果

・脈拍数の低下、血圧の低下➡生活習慣病の予防

・脳の前頭葉が鎮静化➡脳活動がリラックス      

・コルチゾール(ストレスホルモンの一種)濃度、アドレナリン濃度の低下➡ストレスが減少

その他にも自尊心を高める、自律心を育てる、マインドフルネスを促進する、集中力と創造力の向上、ポジティブな感情を高めるなどの効果があるそうです。つまり病気を治すことは出来ないが、病気になりにくくするという「予防医学的効果」をもっています。自然に触れた後、スッキリしているのは科学的な根拠があったんだなと、書きながら頷いています。

  森林浴の効果を調べていると、何度も「フィトンチッドの効果」という言葉が出てきました。フィトンチッドとはロシア語の「フィトン(植物)」と「チッド(殺す、殺菌する)」を合わせた造語で、土に根ざして移動できない植物が、虫や病原菌などから自らの身を守るために発散している揮発性の芳香物質のことを意味しています。                                   

このフィトンチッドが人間にとっては有益で、フィトンチッドに満たされた新鮮な空気を浴びながら呼吸すると、抗菌作用や免疫力向上効果、自然治癒力が高まることが科学的に証明されてきたそうです。フィトンチッドの香りは森に入った瞬間に感じる清涼感が特徴とのこと。山歩きをされる方は「あ~あの香りね~」と頷かれると思います。あの香りには偉大な効果があったんですね!!          ちなみにこのフィトンチッドは鮮度保持効果、殺菌・防腐・防虫効果、消臭効果などもあり、木の皮でおにぎりを包んでいたり、木のお弁当箱がよく使われていたり、桜餅や笹団子、酒樽、柿の葉寿司、お寿司屋のまな板や飯台、ヒノキのタンスなどなど、実は身近でフィトンチッド効果が使われています。                                                           

 話は戻り森林浴の場所について。大自然で行うものと思われがちですが、ご自身が心地よいと感じられる場所であれば、木々のある近所の公園に出かけるだけでも良いですし、お寺や神社、植物園や庭園の利用、ベランダや室内での疑似体験でも効果はあります。頻度は1週間に1度、2時間程度が理想ですが、15分でもリラックス効果やストレス軽減効果あります。時間はフィトンチッドが一番多い、午前中がおすすめです。                                                       

 携帯電話、転倒予防、物価高、これから来る冬の寒さなど、なにかと下を向きがちですが、空を見上げ、体の力を抜いて、太陽の光や暖かさを感じ、風や鳥の声を聞き、めいっぱい深呼吸をして自然を感じてみてください。今は夕焼けがきれいですよ。鳥イラスト.jpg

 あ、時期によっては虫の存在もお忘れなく。