医療、介護関係者の皆様へ
  • サルコペニアとは
  • 低栄養の評価と原因
  • 適切な栄養管理
サルコペニアとは

サルコペニア(sarcopenia)とは、「骨格筋・筋肉(sarco)の減少(penia)」を意味する造語である。 サルコペニアの原因には、加齢のみを原因とする原発性サルコペニアと、 活動・栄養・疾患を原因とする二次性サルコペニアがある。

サルコペニアの診断基準
1+[2または3]

アジアのサルコペニアワーキンググループ(AWGS)による診断基準(2014)

筋肉量※の低下
plus
筋力の低下 or 身体機能の低下

※四肢骨格筋量(kg)÷身長(m)÷身長(m)

日本人の目安
1筋肉量の低下
:下腿周囲長30cm未満 BMI18.5kg/㎡未満
2筋力の低下
:握力 男性25kg未満、女性20kg未満
3身体機能の低下
:歩行速度1.0m/秒未満

下方浩史、安藤富士子 「日常生活機能と骨格筋量、筋力との関連」 日本老年医学会雑誌49:195-198.2012より

リハを行っている高齢者の40~46%にサルコペニアを認めたことが報告されている。
サルコペニアの原因は1つではなく複数認めることが多いため、
リハ栄養の視点で包括的に評価・対応することが必要である。

サルコペニアの原因と対応
  原因 対応(リハ栄養の視点)
原発性 加齢のみ
  • レジスタンストレーニングが最も有効である。
  • トレーニング直後のBCAAを含んだ栄養剤の摂取も有用である。
二次性 活動 廃用性筋萎縮
不活動
無重力
  • 不要な安静や禁食を避け、四肢体幹や嚥下の筋肉量を低下させない。
  • 早期離床、早期経口摂取に努める。
栄養 飢餓
エネルギー
摂取量不足
  • 栄養改善を考慮した、適切な栄養管理を実施する。
  • 飢餓(エネルギー摂取量不足)の場合、レジスタンストレーニングは控える。
疾患 侵襲
悪液質
神経筋疾患
  • 原疾患の治療を優先する。
  • 原疾患のコントロールが不十分なときは、
    飢餓予防の栄養管理と廃用予防のリハを併用する。

P72〜76 出典:リハビリテーション栄養ポケットガイド

「リハビリテーション栄養ポケットガイド」
編集・発行:株式会社ジェフコーポレーション
監修:横浜市立大学附属市民総合医療センター リハビリテーション科/日本リハビリテーション栄養研究会 会長 若林 秀隆

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