こんにちは。めでぃはあと北摂の中村です。
5月も半ば。京都は「葵祭り」の頃ですね。
「葵祭り」と言えば、私は大学時代を思い出します。
のんびりというか暢気な学風だったうちの学部の先生方は、葵祭りの行列が近くを通る時間帯
になると
「はい、葵祭りが見学したい人は見ておいで~。今日は出席にしといてあげる」
といったような感じでした。
古き良き懐かしい時代の想い出です(笑)
さて、今回は栄養指導で出会った「痛風」の患者様のお話です。
私は現在、内科と整形外科のクリニックの2箇所で栄養指導をさせて頂いてるのですが、
クリニックの専門科目の違いで栄養指導に回って来られる患者様の傾向が少し違います。
内科の方は糖尿病や脂質異常症の患者様が多く、整形外科は圧倒的に「痛風・高尿酸血症」
の患者様が多いというのが特徴です。
先日も、整形外科の方で1日11名の栄養指導をしたところ、うち8名が「痛風・高尿酸血症」の
患者様だったくらいです。
そしてその殆どが男性であり、全員と言っても過言でない程アルコールを摂取される方
ばかりです。
今回の話の主役であるその患者様(以下Tさんとお呼びします)も、尿酸値を下げる薬を
服用されており尿酸値7.8、休肝日なし、常時痛風の痛みがあり歩くのは辛い・・という方
でした。
Tさんは初めて栄養指導に来られた時、「栄養指導なんて嫌!」と顔に書いてあるかと思う
くらいの仏頂面で、先生に勧められて渋々来られたというのがひと目でわかりました。
食事の聞き取りをしてる間もぼそっぼそっとしか答えて下さらず、Tさんをやる気にする方法
を30分の指導時間の中で見出せるか?とちょっと私も不安になっていたくらいです。
しかしお話を聞いてみると、食事も尿酸値を上げる原因となるプリン体の多い食品を好んで
食べておられ、アルコールもビールをはじめ毎日ある程度の量を飲んでおられる等、いろいろ
と高尿酸血症の原因になる項目は見つかりました。
そこで、Tさんの食事・生活の中で高尿酸血症の原因と思われる事をひとつずつ説明し、
1ヵ月後の次の指導まで、どの項目についてなら生活を変えられると思うか聞いてみました。
Tさんは少し考えられて、一言「お酒を減らすのは無理」と。
正直ちょっとがくっっとはしましたが、大体の痛風の患者様は同じ答えが返ってくるので
そんな事は折り込み済みです!
では・・・という事で、私から以下の3つをTさんに提案させて頂きました。
(1) 現在糖質OFFビール350mlを1本+焼酎の水割りか日本酒を1~2杯のところを
プリン体カットビール350mlを1本+焼酎の水割りを1~2杯。
(2) 朝食で毎日のように食べておられる鯵の干物を白身魚の塩焼きに変更。
(3) (水分補給をしっかりした上で)毎日20分間散歩をする。
で、1回に全部は無理だと思ったので、(1)と(2)の2項目を1ヶ月続けて頂くようにお約束
して頂きました。
そして、そのお約束から1ヵ月後、2回目の指導だった先日Tさんにお会いすると・・・
以前とは別人かと思うほどのニコニコ顔。
結果が良かった事は想像に難くなかったのですが、結果以上にTさんの食生活改善への
取り組み姿勢の変貌ぶりに驚かされてしまいました。
Tさんによると、私と約束した(1)・(2)の項目の厳守に加え(3)の項目も実践されたようで、
直近の検査結果では尿酸値が3.6まで下がっておられました!
しかも、あんなに悩まされていた足の痛みも殆どなくなり、最近行かれた伊豆旅行では
奥様とともにゆっくりと春の伊豆を歩いて散策できたととても喜んでおられました。
(以前行かれた礼文島で、痛風発作の為に泣く泣くご自分だけ途中リタイヤされた苦い
経験があったので、喜びはひとしおだったようです)
まぁ、どんな方でも結果が伴うと途端にやる気になられるのが常なんですが、
Tさんは旅行が出来た事、内科の先生にとても褒めてもらった事、小さな改善でも1ヶ月
続けられた事等がとても自信になられたようでした。
初回の栄養指導の時にはどうなることかと思った患者様でしたが、今では「結果が出た
からと言って、気が緩んだらアカン!これを継続・定着させるんや!」とやる気満々です。
なかなかTさんのように短期間でうまく結果が出て、やる気を出して下さる方ばかり
ではないですが、やっぱりいかにやる気になって改善に向けて努力をして頂くように
もっていけるかが栄養士の腕の見せ所!
もっともっとこの「腕」磨いていくぞ!・・・とTさんのお陰で私のやる気もUP↑する結果
となりました(笑)
はーと&はあと 管理栄養士 中村 愛
北摂の様子は『もっと☆めでぃ北摂ブログ』でもご紹介しています。見てくださいね~!