食事療養のサポートを現場から発信

口から食べるということ~part2

こんにちは。めでぃ北摂の寺田です。
今日は久しぶりのにわか雨。
といっても雨具を用意しなくても良い位の微々たる雨。
梅雨の時期、あんなに嫌だった雨も
こう毎日暑い日が続くと、気持ちよく感じられます。
いつもよりわずかにひんやりとした空気から、秋の訪れを少しだけ感じました。
とはいえまだまだ暑い!
風邪を引かないよう体調管理には十分気を付けましょう!

さて、大都さんのブログにもあったように、
先日「嚥下について」の勉強会に参加させていただきました。
この勉強会がきっかけで、
自分の担当エリアに、実際どのくらい嚥下食を必要としているのか疑問に思い、
事業所を訪問させていただく際、いろんなケアマネージャー様に
ご担当されている方の中で嚥下にお困りの方はどの位いらっしゃるのか?
誰が介護されているのか?
どのような食事を召し上がっているのか? 等
質問させていただき、お話を聞かせていただきました。


その中で、ある事業所のケアマネージャーのK様から、
ペースト食で療養をし続けた一人のお嫁様の印象深い事例を話してくださったので
紹介させていただきます。


A様は97歳。奥様と息子様はお亡くなりになり、現在お嫁様とお二人暮らしです。
ご高齢ということもあり、嚥下機能の低下がみられ、
ある時、誤嚥性肺炎を起こし一時ご入院となりました。
褥瘡もあり、もうターミナルケアとして見守っていきましょうという方向でまとまり、
A様はご自宅に戻られることになりました。

お嫁様は、どうしても口から食べ続けてほしいという気持ちが強く、
お義父様のために、毎食ミキサーでペースト状の食事を作り、食べさせていたそうです。
その食事は1品1品小鉢に入れられ、それぞれの味がきちんとわかるように、
丁寧に作られていたそうです。

食事支度の時間は毎食1~2 時間。

すると、なんと!1か月継続していると
A様の褥瘡が除々に治り、皮膚がきれいに再生し、完治したというのです。

さらに以前はか細かった声にもハリが戻り、
ご体調は回復に向かっているというのです。

一度はターミナルケアで…と考えていたほどの状態だったのに!

あきらめずに食事を用意し食べさせ続けたお嫁様のお力、
そしてA様をとりまく介護スタッフが協力して支えたおかげだと
ケアマネージャーのK様は本当にうれしそうにお話してくださいました。

A様のお話を聞いていると、口から食べることの大切さ、
そして一人の人を支えるご家族様やスタッフの力を改めて実感します。


今回私が「嚥下についての勉強会」で経験した食事介助はとても大変で、
思うようにうまくいかず、本当に食べてもらえるのか、何度も諦めそうになりました。
私が担当させていただいた方も約1時間半かけて完食してくださったのですが、
食べ終わった瞬間、感動と安堵の気持が湧いてきました。
おそらく、慣れていない私の食事介助は
スプーンの向きが変だったり、一口分の量が多かったり、
口に入れるタイミングが合わなかったりで、ご本人様を困らせてしまっていたかもしれません。

ですから、食事介助する人とされる人が心を通わすことはとても大事だと感じましたし、
A様の事例でも、食事支度をしておられたお嫁様のお義父様への
深い思いやりの心があったからこそ
起こり得たのではないかと私は思っています。


今後はーとの一員として、どのような背景をお持ちの方にお会いできるか未知ですが、
嚥下にお困りの方に出会う機会も増えてくるのではないかと思います。
これから出会う一人一人との出会いを大切にし、きちんと対応できるように
たくさんの経験をしていかなければいけないなと感じた
貴重な機会となりました。


はーと&はあと 寺田 満里子

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