食事療養のサポートを現場から発信

支えになれれば・・

こんにちは☆北摂の大都です(^^)ノ

先日、高槻市のあるケアマネージャーさんより、ある相談がありました。

『心不全、腎不全、糖尿病あり、認知あり。おかゆは食べるが、味のついたものを食べない。吐き出してしまう。脱水も繰り返し、介護者が困っている。なんとかならないものでしょうか・・』

味がないものを吐き出すということは聞きますが、
「味のついているものを吐き出す!?」

これはちょっと大変な症例です。

私に何ができるのか?少し戸惑いながらの訪問になりました。

相談者はFさま。ご主人のご両親、Fさまのお母様と同居されています。
義父母(ご主人のご両親)、お母様とも認知症があります。
義父母は認知症があり、他人を自宅へ入れると混乱をされるということで
Fさまのお友達、という設定での訪問です。

お義母さまは糖尿病があるので、本来は栄養コントロール食を召し上がって頂きたいところですが
お義父さまと違うものを出すと混乱をされるということから、健康バランス食を主食、主菜の調整をしてもらっての利用開始となりました。

問題はお母様。心不全、腎不全、糖尿病あり、認知あり。おかゆは食べるが、味のついたものを食べない。吐き出してしまう・・・
検査結果を確認すると尿素窒素は68とかなり高め。カリウム値は低値、貧血あり。

味のついているもの、塩味も甘味もダメ。食べるものはおかゆとバナナと蒸かしさつま芋、お刺身はごく少量の刺身醤油を落として。
蒸し野菜はなんとか・・
甘いゼリーなどは「苦い」と言って吐き出すとか。
う~ん・・これはちょっと難題。
尿毒症による味覚異常でしょう・・

はーとのお弁当では対応できないですね。
とりあえず、味覚異常が腎機能低下でも出ることを説明し、
少しでも必要エネルギーを確保するために味に影響しない油類を使うことを提案。
まずは少しでも食べてもらえるように・・
糖尿もあり油類はダメだと思っていたFさまは、マヨネーズやオリーブ油を使うことが意外だったようです。ましてや揚げ物なんて・・

ここまで話をすると、Fさまの表情が明るくなりました。

「あれもこれもダメだと思っていたので、すごく気持ちが軽くなりました。お料理しても食べないからつい、点滴や経管で・・ってなって。食べてくれないから作り甲斐がなかったですし。何をどうすればいいのか、わからなかったんです。味覚異常は認知だけではなかったんですね・・
ちょっと、いろいろ試してみようと思います。」

しっかり食べてもらえるようになってからタンパク質制限・カリウム制限をするとして、まずは食べてもらうこと最優先。

私もこの言葉で救われた気がします。
何ができるのか?と不安でしたが
私の話で、これだけ気持ちを軽くしてもらえたのかと思うと、
私の気持ちも軽くなりました。

翌日、Fさまからお電話がありました。
『お好み焼きが好きな母だったので、お好み焼きを作って食べさせたら
一枚の半分は食べてくれたんですよ。』

味が薄いのは問題ないので、とりあえず食べて貰えればね。

お義父さま、お義母さまは問題なく美味しく召し上がって頂いたと。
何よりです☆


これで少しでもFさまの介護負担が軽減できれば幸いです。


はーと&はあと  管理栄養士 大都宏子

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