こんにちは。管理栄養士の柴田です。
1月は行く、2月は逃げる、3月は去るといいますが、
まさにそのとおり、あっという間に1月が終わってしまいました!
2月、3月もあっという間に終わってしまうのでしょうか。
1日1日を大切に過ごしていきたいと思います。
さて、3月にデイサービスがオープンします。
先週建物が完成し、私自身も京都から南茨木の事務所に引っ越しました!
新しい建物ですし、新規オープンということもあり、わくわくしています。
今は毎日オープンに向けてドタバタですが、
来ていただくご利用者様に喜んでいただけるサービスができるよう
頑張っていきたいと思います。
さて昨日、さっそく新しい事務所で社内勉強会を行いました。
講師は、歯科医師の小谷泰子先生。
小谷先生は、寝屋川市で摂食嚥下障害やドライマウス、睡眠時無呼吸症候群に特化した歯科を
開業されています。
「食医とは~知っておきたい口の機能」というテーマで90分講義をしていただきました。
講義の初めに、小谷先生からこんな質問がありました。
「みなさん、口編の漢字、どれだけ書けますか?」
いざ、書こうとするとなかなか描けませんでしたが、
味、吹、呼、吸、鳴、叱、吐、喰、喉、嚥、呪、・・・
実はたくさんあります。
どれも、口を使って行われる動作、行動だったりと、
口はとてもたくさんの役割がある事に気づかされます。
今回の講義では、代表的な嚥下障害の症状はどのようなものがあるのか、
また誤嚥とはどういう状態なのかなど、口の機能について具体的に話をしていただきました。
実際にお茶を飲んでみたり、お菓子を食べてみて、自分の嚥下を確認。
一口目お茶を口に含ませて、さらに二口目のお茶を飲むとどうなるか、
口を開けたまま飲み込もうとするとどうなるのか、
お菓子を食べている時の舌はどのように動いているかなど
普段当たり前のように行っている食べる、飲むという行為を改めて注目することで
食べる、飲むが障害された時いかに不便であるか、そして危険性をであるかを感じました。
また、食べ物を飲み込むときの嚥下の様子をレントゲンを当てて観察する
嚥下造影検査(VF)の嚥下内視鏡検査(VE)の映像を見せていただきました。
嚥下の様子はVFやVEを行わない限り客観的に見ることができません。
にも関わらず、誤嚥を起こすと誤嚥性肺炎になることも多く、
抵抗力の落ちている高齢者にとっては生命を脅かす原因になりかねない大変怖い障害ですから
口腔内で何がおきているのか、映像としてイメージできることが大切なのです。
今や肺炎は日本人の死亡率は肺炎が第三位であり、高齢者の肺炎の1/3は誤嚥性肺炎だといわれています。
誤嚥性肺炎を予防する上で大切な事は「口腔ケア」だそうです。
口腔ケアを行うことで口内がキレイになり誤嚥性細菌の原因細菌を除去することができますし、
口腔ケアの刺激により舌や頬、唇など嚥下・咀嚼に必要な筋肉をほぐしたり、唾液分泌を促し、
嚥下・咀嚼機能を助けることにつながるのです。
高齢化と共に、摂食嚥下困難という問題は切っても切り離すことができません。
摂食嚥下困難は、原因疾患にもよって治る場合とそうでない場合があるので、
必ずしも治す事がゴールではなく、
周囲の人間が「どうしたら食べてもらうことができるか?」「どうしたら安全に食べていただくことができるか?」など、介護に関わるあらゆる人(家族、介護スタッフ、医療スタッフなど)が皆でご利用者様を支え、その周囲の環境を整えていく事が大切だということを
教えていただきました。
これこそが小谷先生が推奨する「食医」という考え方です。
3月にオープンするデイサービスでは、スタッフ皆が食医です!
むせたり、食べこぼしたり、食欲が低下したり、食事時間が極端に長くなって来たり・・・
ご利用者様のサインをしっかりキャッチして支えてあげられる、そんなスタッフを目指して行けたらと思っています。
皆さんも、一緒に「食医」になりましょう!
まずは身近にいるご家族様の食事に着目してみることから始めてはいかがでしょうか?
管理栄養士 柴田満里子