食事療養のサポートを現場から発信

肝臓のケアに指示を確認

こんにちは。北摂管理栄養士の島田です。

暑くなってきてすっかりクールビズな日々ですね。先日真っ白シャツを着た男性10人の集団をみました。クールビスとはいえ白集団は少し異様なオーラを感じてしまいました。

さて、今回は久しぶりに肝臓疾患の方の訪問相談のお話です。利用者全体では多くはありませんが、一定の確率で相談をお受けしている肝臓疾患。

肝炎から肝硬変になり肝癌になってしまう病気をどこで食い止めるか。

他の慢性疾患もそうですが食事療養の継続がとても大切な病気です。

今回お伺いしたのは70代女性T様。担当のケアマネジャーさんからアンモニアの数値が高くなってきたので一度相談にのってあげて欲しいとのご依頼からご訪問させていただきました。

Tさまとお話しながらDrからの指示を確認したのですが、はっきりとした指示はわからず。訴えとしては

「アンモニアの数値が高くなってきたのが心配。朝方がしんどくてあまり食欲がわかない。貧血がひどくて週2回点滴に通院しているから鉄を取ったほうがいいと思うけど鉄は摂ってはダメといわれてどうしたらよいのかわからない」とのことでした。

アンモニアが高くなるのは肝臓がかなり弱ってきている証拠です。弱った肝臓は血液を造る働きも弱ってくるため貧血やだるさを感じやすくなります。ただ、肝臓病の方の場合は鉄を補給すると肝臓の働きをさらに悪くするため普通の貧血と同じように鉄をとることはできません。むしろ鉄を制限することが必要です。その辺がTさまの中で混乱の原因になっていたようです。

肝臓が弱ってきた方はエネルギーの利用効率が落ちてしまいます。特に食事時間の間隔が空く夕食から朝食の間に深刻なエネルギー不足を生じます。一般的には肝硬変の方が12時間食事をとらないと健康な人にとっては3日間絶食するのと同じダメージを受けるといわれています。朝のだるさ、食欲の無さも夜間のエネルギー不足が原因とも考えられます。(T様の夕食は19時ごろ、朝食は早くて9時ごろ。12時間以上空いています)

そのを予防するには夜間療法といって夜食をとることが大切です。

Tさまにもそのことをお伝えし

「朝・昼・夕で食べている分を少しずつ減らして、寝る1時間前の21時ぐらいに夜食とりましょう」

「鉄はとれないですが、血液検査の結果からはすごくひどい貧血状態というわけでないようですし、夜食をすることで少しずつ肝臓をケアして食欲の無さも緩和していきましょう」

「お薬でリーバクトを飲まれているのでたんぱく質は控えたほうがいいですね。お肉やお魚、牛乳などにはたんぱく質が多く含まれているのでこれまでの2/3程度の量にするようにしましょう」「朝に作られているベーコンエッグもベーコンは止めて卵だけにしましょう」とお伝えさせていただきました。

担当の先生に電話で指示を確認したところ「たんぱく質と塩分と、あと脂質特に揚げ物は控えてください。それで様子を見ましょう」ということになり、塩分の多い食品を控えて減塩にもできることから取り組んでいただくことになりました。

Tさまからは 「病院の看護師や栄養士の方にも相談したけど、こんなに丁寧に教えてもらえなかった」と言われてしまいましたが、これからの療養次第で悪化を食い止めることができるか大切な時期です。まずはアンモニアを落とせるようサポートに取り組んで、成果でも喜んでいただきたいと思います。

 

はーと&はあと 管理栄養士 島田天心

 

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