食事療養のサポートを現場から発信

冷蔵庫には物がいっぱい

こんにちは、北摂管理栄養士の島田です。

今年は台風が多いですね。警報等の情報にいつもより過敏になっている自分がいます。

さて、そんな台風が過ぎた青空のなか、先日ご訪問させていただきましたS様、80代女性。独居。

相談者は訪問看護の看護師の方からでした。「食事が満足にとられてなくて、塩分制限があるのに、ご飯と梅干や漬物、じゃこなどで食事を済ませてしまうこともある。腎臓、中性脂肪の値も高いし心配」との事前情報を受け、相談訪問にいってきました。

S様、長年されていたお仕事を今はやめられ一人でお住まいですが、外出機会が少なく、また足腰が弱ってきたこともあり近所への買い物もだんだんしんどくなってきていました。介護サービスも利用されていますが、あまり他者とのかかわりを持つのが苦手で訪問看護の導入もやっと許してもらえたという状況です。

お話しをお聞きすると、「お腹がすかないから果物などを食べることはあるけど、ご飯は少しでいっぱいになる。1合炊いたら3日は大丈夫。かぼちゃやさつま芋は自分で炊いて食べていて少しは調理もしないとダメだと思っている」など、簡単に口にできるものは少量とられていても全体的に食事量少なくバランスももちろん悪い状況です。簡易栄養状態評価表(MNA)でスクリーニングすると8ポイント「低栄養のおそれありAt risk」でした。腎臓の値は問題なし、中性脂肪は高かったですが、それより問題は低栄養になるリスクが高いことです。

しかし、S様の冷蔵庫には物がいっぱい。卵はこだわりの品種を直送で50個単位で購入されたものが20個以上あり(半分以上は周りに上げてしまうようです)近くに住むお姉さまが買ってこられただし巻き卵のパックや冷凍焼売など、おかずになるものがいっぱい入っていました。

S様、沢山食材あるのに、作って食べる。食事を用意する気力・体力が弱っていて簡単に済ませられる食事でなんとか生活されていました。

果物やかぼちゃ、さつま芋も栄養はありますが、糖質中心です。たんぱく質源となる肉・魚・卵・豆腐・乳製品を毎食食べないと筋肉がやせてしまって、今以上に外出や体力が落ちてしまうことをお話しし、食欲が少しでも湧くようお腹がすくよう家の中でもできる運動・体操をお伝えし、配食は毎日の昼をご用意させていただくことになりました。

ご自身で用意するのが億劫でも食事として1膳配食されれば、少しずつ食事量を増やしていくこともできるはずです。

訪問後は看護師と担当ケアマネジャーに指導内容を報告し、低栄養リスクを回避できるようサポートさせていただくことになりました。

 

はーと&はあと 管理栄養士 島田天心

 

 

 

 

 

 

 

このブログを購読する

管理栄養士プロフィール

  • 大都 宏子
  • 島田 天心
  • 小山 祐子
  • 磯好 幸枝
  • 竹本 敏美