こんにちは、管理栄養士の島田です。
寒さが増してきましたね。例年なら今頃はいよいよ今年も終わりか・・・感が漂う頃ですが今年はいよいよ試練の年末年始がやってくるぞという気持ちになります。大型連休になりそうな2014~2015年の年越し(市場も業者も休んでしまう中、年中無休のはーと&はあとの食事療養サポートサービス!)
食材の確保、保管、納品漏れetc、年末にかけての準備が慌しくなってきそうです。
さて、今回は鮭のムニエルをおいしく仕上げるには。をご紹介します。
近年の大量調理では、大型のグリラーや、システム化、オートメーション化されたスチコン(スチームコンベクションオーブン)を駆使して短時間で大量に均一な仕上がりで料理ができるようになっています。
材料を仕込んで、設定するば、誰でもが似たようなものが負担なく作れる時代ですが、そんな機械がなくても一手間でおいしく仕上げる方法をアップさせていただきます。
ムニエルの基本的な作り方は、塩・胡椒した鮭に小麦粉をはたいて、フライパンや鉄板にバターを敷き、片面を焼いたらひっくり返して両面を焼き目がきれいに付くように焼き上げる。とても簡単な料理です。(小学生の頃、家庭科の実習で作った記憶のある方も多いのではないでしょうか。簡単な割りに仕上がりがきれいにできて、料理の楽しさを実感する料理初心者にはお勧めメニューですよね)
でも、大量調理では、その簡単な料理に苦戦するになります。それは、きれいに両面を焼くという工程がとれないということ。
50人前、100人前(工場によってはそれ以上)を一度に焼くと100尾ひっくり返すことも、焼き目を均一に出すことも大変です。
中には、小麦粉に焼き色がつかず、部分的に白いまま焼きあがってしまい、お客様から「白いカビみたいなものがついている!」とクレームになりかねません
そこで一手間が必要です。まず、鉄板にはバターを敷かずに、クッキングシートを敷きます。そこに、小麦粉をはたいた鮭をのせてそのままグリラーで表面を焼いていきます。バターはボウルにいれてグリラーの余熱で溶かしバターにしておきます。
(ミニ知識として、魚に塩・胡椒したら30分程度はおいておきましょう。塩をした30分後に魚の旨みが増してきます。塩をしてすぐ料理しては魚のホントのおいしさを堪能できません。最初に塩胡椒して、他の料理の準備をしながら30分経って魚のおいしさがピークになった頃に焼くようにしましょう)
さて、鮭全体が6~7分程度焼けた頃を見計らって、一度グリラーから鉄板を取り出し、溶かしておいたバターをはけで薄く表面に塗ります。そのとき、焼き色がつかずに白く残ってしまっている小麦粉の部分をきれいにバターでコーティングしてあげることで、焼き残りがでず、均一できれいな焼き目が鮭全体につきます。あとは再度グリラーに戻して、バターが焦げて焼き過ぎないように火を通して出来上がりです。
最初に塗るのではなく、途中でバターを使って焼き目をきれいに仕上がる。手間ですが、おいしく料理しないとおいしく食べてはもらえない。と調理師は言ってました。同感です。
はーと&はあと 管理栄養士 島田天心