食事療養のサポートを現場から発信

すべての調理をおいしく作るためには(最終回)

こんにちは、管理栄養士の島田です。

さて、突然ではありますが、昨年9月頃からブログで書いてきました

大量調理で〇〇を美味しく作るにはシリーズは今回で一旦終了させていただきます。

半年間、現場に入り、調理師や調理補助の方と一緒に病態食を美味しく作るために

試行錯誤と実践を繰り返して来ましたが、4月からはまた在宅の現場に戻ることとなりました。

製造現場からの定期的なブログ発信は今回で最後となります。

そこで、最後ですので、少しタイトルは大層ですが、すべての調理をおいしく作るにはを書きたいと思います。ポイントは3つ。

その1、環境が整備されているというのが大切です。

これは、調理・作業スペースが確保されている、調理器具などがそろっていることももちろんですが、衛生的に最終調理・盛り付けが安心して安全に行えているかがとても大切だと考えます。調理は(あたりまえですが)そのままでは食あたりや食中毒を起こす危険がある食品を身体に害がないよう美味しく食べるための手段でしかありません。当然仕入れ時は非衛生食品も処理と調理を行うことで衛生的に安心して提供することができます。汚染された区域があるのは当然としてそこからの汚染が起こりにくい環境を作れていれば、調理や盛り付けの仕事に集中できます。そのための環境整備がとても大切です。

その2.仕込みを完璧にすることが大切です。

大量調理では、食材に対しての調味料の使用量が細かく決められています。調味料はすべて正確に計量して調理を行いますが、仕込みの量が予定より多くても少なくても味にばらつきが出てしまいます。特に野菜類は洗浄した際に水分を含んでしまい元の重要が変化するものが多く計量とおりに用意したつもりでも実は水分が加味されていたなんてことになると味が変わってしまいます。破棄率が多い食品はカットした後に使用量を計量する。魚や肉はカットを指定して納品してもらっても業者によって微妙にブレ幅があるので、仕込む際に指定のgに対して過不足があるものは除外して必要数を用意するようにする。などの事前のチェックが必要です。また、仕込がしっかりできていないと調理の段階で、追加で用意したり、再計量したりと二度手間になり調理工程が止まってしまい、仕上がりにも影響します。事前準備の段階では一つの漏れや不備もないよう完璧に行っておくのがとても大切です。

その3.仕上がりを確認し、検食することが大切です。

大量調理に限れば、2がしっかりできていれば仕上がりに大きな差はでないと個人的は考えています。(ものすごく腕のいい料理人が調理をされている場合は別ですが)必要量を用意し正確に計量し、普通に調理を行えば基本的には同じ献立は何回作っても同じ味を再現できます。しかし、それを検食して、同じ仕上がり・味であることを確認することが大切です。できれば、その仕上がりに対して、担当調理人だけでなく、施設内のすべてのスタッフがいい・悪いのジャッジができるのが理想です。茹で加減・炒め具合・水の絞り加減・ご飯の硬さ・カットの均一差など、いつもの調理と比べていいのか悪いのかをその場で確認・指摘し合えれば、その場で修正・改善策を考えることができます。後で考えるというのはなかなか難しいです。全員が同じ基準で今日の調理の仕上がりを判断できることがとても大切です。それが仕上がりや味の安定に繋がり美味しさを表現することになるのです。

以上が病院勤務以来の製造現場に入り、色々な勉強やさまざまな経験・体験したことで、どうしたら大量調理で食事が美味しく作れるのかを自分なりにまとめた感想です。

製造現場の大小・スタッフの数や質・オペレーションの違いなど、もちろん様々な条件で違いはできると思いますが、ポイントを抑えて、普通に用意して、普通に調理すれば、普通にすべての調理をおいしく作れることができます。

はーと&はあと 管理栄養士 島田天心

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