食事療養のサポートを現場から発信

透析患者様のリン制限

こんにちは 京都 管理栄養士 原です。

 

桜が満開に咲いて、新しい年度の始まりを感じています。

 

さて、前回のブログに掲載したダイエット企画の利用者様は、

始まってまだ間もないので、大きな体重の変化はありませんが、

お食事の内容が変化されていています。

また、ご報告します。

 

今回は、腹膜透析を頑張っておられる利用者様のお宅に訪問して、検査結果等からお食事のおはなしをしてきました。

一般の健常者の皆様には、透析はなかなか身近にないので、ご存じないかもしれません。

透析とは、老廃物の排泄という機能が、腎臓の機能低下により行われなくなってしまった時の腎機能の代行として行われる血液浄化です。

透析には血液透析と、腹膜透析があり、食事療養の基本としては下記の違いがあります。

(血液透析と腹膜透析の技術的な仕組みについては省略しております。)

血液透析

➀蛋白質を適正量とる。(蛋白質の過剰は腎臓の負担になり、カリウムとリンの過剰を招く。不足は低栄養につながる。)

➁高血圧の管理から、体重、水分、食塩を制限する。

③エネルギーを適正量とる。(エネルギー不足は低栄養を招く)

④カリウムとリンを制限する。

⑤便秘に気を付ける

 

腹膜透析

➀蛋白質を多めにとる。(廃液に蛋白質が漏出する為。)

➁エネルギーの過剰摂取を防ぐため、透析液のエネルギーを食事摂取量から差し引く。(透析液にブドウ糖が含まれている為、透析液からもエネルギーが供給されている。)

③カリウムは制限しない。(廃液にカリウムが漏出する為、透析前のようなカリウムの制限が必要なくなる。)

④リンを制限する。(透析ではリンの除去が得意でない為。高リン血症では骨が弱くなるだけでなく、血中のリンがカルシウムと結合し動脈硬化の原因となります。)

(参考 メディカ出版 透析患者の食事指導)

 

訪問したご利用者様は、透析前まで低下した腎機能を少しでも維持する為、

塩分と、蛋白質とカリウムを厳しく制限する食生活を送られていました。

 

腹膜透析をされた後は、透析前とお食事に含まれる塩分の制限は変わりませんが、

血液検査の結果カリウム値が基準値を下回っておられたので、生野菜と果物を摂取していただくようにしました。(2か月以内に数値が基準値に戻られました。)

しかし、リンの制限については問題が。

何を食べたらリンを取りすぎになってしまうのか。これはたべてもいいの?

奥様から食卓によく出る食品のリンの量の質問が沢山でてきました。

 

そこで、リンの取りすぎがないように、下記の事を守って頂くようにお話ししました。

➀ 動物性蛋白質には、蛋白質含有量が多く、摂取しすぎるとリンも取りすぎにつながる。朝食のタンパク質はとりすぎではないので、夕食は配食と同じくらいのお肉やお魚の量を食べていただくようにお伝えしました。

➁ 加工品や調理済み食品には食品添加物としてリンが多く含まれているので、使用を避ける。

③ 3食以外の間食ではリンを50㎎位に抑える。

④ 乳製品にはリンが多く含まれるので量(牛乳なら120ml位まで)に気を付ける。

 

よく食べられる間食をお聞きし、写真付きの具体量がのった資料を

奥様にお渡しし、量を気をつけていただくこととなりました。

 

腎機能が低下された利用者様の多くが、

「毎日の食事で、具体的に何をどれくらいまでなら食べてもよいか。」それが一番しりたいことなんだと感じます。

それを少しでも多くお示しして、不安や不都合を取り除けるお役に立ちたいと思います。

 満開の桜の下をバイクで走るのは、とても気持ちがいい季節です。

一年中春ならいいなと感じます。花粉症の方にはとんでもないことですね。

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京都  管理栄養士  原

 

 

 

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