梅雨が明け、暑い日が続きますね。
サロン利用者様の中にも、食欲低下されている方が何名か出てこられています。
しかし
本当にちょっとした工夫で、食事意欲や喫食率が上がることもあります。
今回は、サロンご利用の 認知症の利用者様のケースをご紹介します。
92歳 女性
7月末の体重は34㎏(身長150㎝ BMI15)のご利用者さまです。
もともと痩せ型でおられ、これ以上の体重減少は避けたいというお方です。
5月ごろはまだ、盛りつけたうち7~8割は食べておられました。
6月ごろから昼食を完食できずたくさん残されるようになられました。
「こんなにたくさん食べられないわ」といつも口にされ、
7月には盛りつけたお皿から2-3口しか召し上がらずの状態にまで食欲低下されていました。
改めて、家族様に普段のご様子について聞き取りをしました。
「最近お皿がいっぱいあるととても嫌がる」「どろどろしたもの(あんかけ)が苦手」
「魚はあんまり食べない」「このごろ麺類は好きでよく食べられる」
...認知症 症状特有の、"視覚(食事の見た目)で食事がとっても嫌になる"ケースの疑いです。また、ご自宅でも嗜好にもかなり偏りがあるようです。
しっかり食べていただきたいね、と介護職・看護職・リハ職も危機感を持ち、夕方の施設内ミーティングでたくさんアイデアを出し合いました。
認知症高齢者のケアに精通する介護士より
「小鉢のおかずを一品減らして提供してみるのはどうか」と
提案があり、まずはそれから、早速試してみることに。
・・・
提供時のお声掛けの仕方にも工夫を。
「○○さん、実は今日、一品おかずを減らしています。
これなら無理なく食べられるかもしれませんね。心配せずゆっくり召し上がってくださいね。」
すると
利用者様「まあ~~~ありがとう!うれしいわあ。」
と、満面の笑みに...。
なんとこれだけの工夫ですが
小鉢以外ほぼ全量召し上がり、喫食率8割程度にまで食べられるようになりました。
その後デイを4回程利用されていますが、
食べない小鉢を含めて考えても、毎回8割以上の喫食率に。
また、"嫌い"なはずの魚料理や、ドロドロしているように見えるメニューも、問題なくほぼ完食されます。
「お声掛けの際の言葉の選択」「その方に合わせた視覚に対する食事の工夫」
はとても大事だなあと、スタッフ一同再認識いたしました。
まだまだ暑い日が続きますが、利用者様への熱中症対策などにも力を入れて頑張っていきたいと思います。