こんにちは、カスタマーセンター管理栄養士の島田です。
暖冬ですね、こたつを出しましたが、あまり使ってないです。
さて、先日自身も会員であります高槻ケアネットの研修会にて、講師をさせていただきました。
題名は『私たちが知っておきたい高齢者の栄養チェック~フレイル・サルコペニア予防のために』
最近になり、一般的な認知度も上がってきたフレイル・サルコペニアについて、管理栄養士の立場から簡単ではありますが介護職の皆様にお話しさせていただきました。
参加いただいた方から感想レポートが上がってきましたのでご紹介させていただきます。
(原文)
11月22日、「はーと&はあとライフサポート」の島田天心さんを講師にお迎えし研修会を開催しました。
私は介護支援専門員をしており、フレイル・サルコペニアのご利用者様を実際に担当しています。
フレイル(虚弱)はフランス語で、老化に伴い筋力や活動が低下している状態のことで、身体機能の低下だけではなく、閉じこもり、意欲や認知機能の低下などの多様的な要素が含まれています。
サルコペニア(筋力減少症)はギリシャ語で加齢に伴う筋力量、筋力、身体機能の低下です。原因は加齢以外にも、エネルギーやたんぱく質などの摂取不足、身体活動力の減少、疾患があげられます。
この状態について何となくはわかっていましたが、どんどん体重が減り、食欲がなくなっていくご利用者様に対しどのようなアドバイスをすればよいか?と悩んでいました。そんな中、この研修があることを知り、参加させていただきました。
私はこの研修を受けるまでは、加齢になると運動も活発にしないため、カロリーが消費されないので「粗食」が身体によく、コレステロール値が上がらないために脂質は出来るだけ摂らないようにするのがよいのだと思っていました。
しかしその考えは間違っており、「粗食」になるとたんぱく質不足、栄養不足になり、血管が弱り認知機能や筋肉量が低下します。そのために廃用症候群で歩けなくなり、脱水や肺炎、貧血や出血を起こし疾病になるリスクが高くなります。70歳以上の5人に1人が低栄養状態だと知り驚きました。
低栄養にならないように10食品群チェックシートで栄養が摂れているか調べる方法があります。1品目1点で計算し9点以上が目標。3点以下だと老化が加速。この方法だと色んな食品をとることを意識しやすいので、ご利用者様にも活用してもらい楽しく栄養を摂ることを意識していただきたいものです。
予防のために適度な運動や栄養バランスのよい食事をすることが重要です。食欲がない方に対しては、引き起こしている要因を探すことも必要になります。独居で寂しく、食事を作る意欲をなくしている方もいます。外出し交流する場を提供し、楽しくお話しながら食事することで食欲がでる場合もあります。要因を探すためにも、きっちりとアセスメントを行うことが必要だと改めて思いました。
疾病などで食事が摂れない時は、栄養補助食品や食事の形態を変えることで低栄養を防ぐこともできます。高エネルギー、高たんぱく質を摂れる食品がたくさんあり、ゼリー状や飲料いろいろなタイプの物があるので、管理栄養士さんと相談しながら、ご利用者様にあったものを提供することが大切だと感じました。
今まで管理栄養士さんに相談することが少なかったので、今後は気になる事があれば相談しアドバイスをしていただきたいと思います。
「外に出よう」「人に会おう」「何かの役に立とう」の言葉を念頭において、ご利用者様がフレイル・サルコペニアを予防できるように支援していきたいと考えています。
普段栄養のお話を聞く機会がなく知識があまりありませんでしたが、島田講師のお話はとてもわかりやすく、事例説明もありとても勉強になりました。
ありがとうございました。
高齢者の栄養状態 チェック方法
※食事・栄養以外の要因の可能性もあるので目安としてください。
① 簡単フレイルチェック
1. 6か月間で2~3㎏の体重減少があったか?
2. 以前に比べて歩く速度が遅くなってきたと思うか?
3. ウォーキング等の運動を週に1回以上していない
4. 5分前のことが思い出せない
5. (ここ2週間)わけもなく疲れたような感じがする
「はい」が3つ以上当てはまれば「フレイル」、1~2つで「フレイル予備軍」
の疑いありです。
② 10食品群チェックシート
量・回数に関係なくその日に食べたものに○をつける。毎日継続して記録することでたんぱく質を意識して摂れるようにするもの。7つ以上○がつくような食生活を目標に。○が少ないと低栄養状態になっている可能性があります。
インターネットでチェックシートをダウンロードでき、デザインも様々あります。
この他スマホアプリで毎日の記録を管理・分析できるものもあります。
☆ 1日3食をしっかり食べることを目標に。
たんぱく質を意識して摂るようにする。その他ビタミンD、カルシウムも必須の栄養素。
そのうえでなるべくバランスよい食事を心がけましょう。(終わり)
少しでも皆様の予防の寄与できれば幸いです。
<カタログをご希望の方は下記から閲覧・ダウンロードできます>
https://www.810810.co.jp/download/
はーと&はあと 管理栄養士 島田天心