島田天心のブログの最近のブログ記事

こんにちは、京都管理栄養士の島田です。

さすがにここ数日の冷え込みは厳しいですね。今年もあとわずかで、今年最後のブログになります。

最近の新規のご相談者の方は、摂食嚥下障害をお持ちの方が増えてきました。

今月だけで5件

1.転倒から入院され、入院中に廃用症候群になり、嚥下力が低下(たぶん、以前から低下ぎみだったのでしょうが、わからず)入院中はずっとムース食を召し上がられていたT様

退院後も、とろみも濃い目で、ムース状のものを食べて下さいと栄養指導を受けて退院され、同居の奥様や娘様では作られないと、ムース食と栄養補給用のプリンを利用していただくことに。

2.脳梗塞を繰り返され、言葉を発することが出来なくなり、咀嚼力も落ちていることから同じく病院ではムース食を召し上がられていたK様。

退院時カンファでは嚥下は問題ないから、形あるものが食べたいのでしたらとソフト食を提案、しかし実際にソフト食を食べてみると口腔内に残渣が残ってしまうことから、ご自宅ではムース食を利用しながら、奥様も作れる料理はムース状にしてお食事をされています。

3.入れ歯があわないわけではないけど、噛むと口の右の内側に痛みが走るということから噛めないと訴えられ、噛まずに食べられるソフト食をご利用いただくことになったM様

4.食道がんで狭窄があり、喉をつまらせないようご主人が見守り気を付けながら食事をとられているT様。ご主人が仕事に行かれる昼食は一人で食事をされるため、もし詰まってしまっては心配と、飲み込み負担の少ない食事がほしいとのことから、ソフト食をお試しいただいています。

5.転移性がんの影響で嘔吐と嘔気がひどく、食べたものを吐かれてしまい、経口での栄養摂取がきわめて少なくなってしまっていて少しでも消化負担なく食べられる物をと。脂質制限をご利用いただくことになったR様(病院ではペースト食を召し上がられていました)

ご相談にお伺いし、ご提案・ご利用いただくことになった食事の形態や内容は異なりますが、皆さん、咀嚼や嚥下に障害があり、食事をよく噛んで食べるという当たり前に思えることが難しくなってきたことによる栄養障害が見られました。

年齢を重ねると共に、食事へのこだわりが強くなる!食事だけが楽しみ!というご利用者様も多くいらっしゃいますが、美味しさよりも安全なものを選択しないといけないことと向き合わなければならないご本人様やご家族もおられます。ご本人様やまたその方を在宅で支援する関係機関の方々の不安や不都合を少しでも取り除くことができるよう来年もスキルを磨かないと、と決意した2016年最後の月でした。

※ちなみに、弊社のムース食やソフト食は美味しさにももちろんこだわっていますのでご安心ください。

営業最後のランチ

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毎月のように訪問している事業所の一筋違いで見つけた定食屋さん。探せば美味しいお店はまだまだあるものですね。来年の訪問も楽しみです。

はーと&はあと 管理栄養士 島田天心

はーと&はあとではソフト食スタート元年を記念して今年は

【やわらかおせち】を用意させていただくことになりました。

 やわらかお節.pdf

詳細はPDFにアクセスしてご参照ください。

ソフト食と同じ凍結含浸法や日本食ならではの細やかな技法を駆使し、やわらかさはもちろんのこと

見た目・味も食材本来のおいしさを追求したおせちです。

咀嚼嚥下にお困りの方にも、新年を祝う気持ちを食を通して感じていただきたい。

数量限定ではありますが、ご希望の方は是非お申込みくださいませ。

こんにちは、京都管理栄養士の島田です。

寒さが厳しくなってきた師走。毎年バタバタと時間に追われてもう一年すぎたか・・・と感じる例年とは異なり、個人的には今年一年が比較的長く感じた一年でした。忙しさと変動がありすぎたせいかもしれません。

さて、そんな一年の締めくくりに12月2日・3日と東京にいってきました。在宅訪問管理栄養士の研修です。

認定研修会ですので、研修をうけて資格をとったからどうだというものではないですが、在宅訪問栄養指導でのポイント・観察項目・アセスメント手法を症例を交えてグループワークしながら学んできました。

まだまだ、在宅訪問栄養指導が医療保険でも介護保険サービスとしても認知がなく、地域の在宅サービスとして利用されていない現状は打破しないといけませんが、依頼があった時に成果を提供できるためのスキルアップができた気がします。ケアマネジャーの講習を受けた時と同様に症例を1例提出しないといけないので、またよい症例を出せるよう訪問していきたいと思います。

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まじめに参加した証拠写真

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研修とは関係ないですが会場近くの「タイ料理研究所」というお店でたべたグリーンカレー

研修後に実施されたテストの為、苦手な生理学を改めて勉強しなおしました。

体の6割は水分でできていること。血液量は体重の約13%にあたること。腎臓には一日1500Lもの血液が送られていること。そのうち150Lが尿の原料として作られていること、さらにそこから99%が尿管で再吸収され、残りの1%にあたる1.5Lだけが尿として排泄されること。水分バランスが崩れれば、脱水になること。タンパク質が不足するとアルブミンが低下すること、でもエネルギー摂取量が保たれた状態でタンパク質だけ不足しているとアルブミンは正常だが足にむくみがでやすくなること・・・などなど。体の生理状態は栄養摂取や代謝に深くかかわっていることを再認識。体の状態を見て、体の中でどのようなことが起こっているのかを想像できないと栄養管理はできないなぁと日々の勉強不足を反省しました。

そして、最近知った新事実。最新の科学では人間の体は37.5兆個の細胞の集まりでできているのだそうです

(むかしは体は60兆個の細胞でできている、それらの細胞はタンパク質でできていて毎日生まれかわっている)

と、いわれていましたが、最近は37.5兆個ぐらいが正しい数ではないかといわれているようです。

(毎日生まれかわっているのは事実。70kgの体重の人だと約400gのタンパク質が作り変えられていて、うち3/4は再利用あれ残りは老廃物として排泄されます。そのため新たに細胞の原料となるタンパク質を食事として補う必要があるようです。必要量はその方の活動指数やストレス係数により異なります)

その体を構成するタンパク質の種類も10万種類ぐらいあるといわれているようです。どんなタンパク質が存在するのかは勉強中の為次回以降にさせていただきますが、まだまだ、インプット量もアウトプット量も足りないですね。

はーと&はあと 管理栄養士 島田天心

こんにちは、京都管理栄養士の島田です。

米5自治体が砂糖入り飲料に課税へ、飲料メーカー大手は対応を本格化

(記事から引用)

大統領選が行われた11月、米国では複数の市や郡で炭酸飲料など砂糖入りの飲料に課税する「ソーダ税」導入の是非を問う住民投票が実施された。その結果、新たに5つの自治体で、賛成派が多数となった。

フィラデルフィア市に加え、新たに砂糖入り飲料が課税対象になることに決まったのは、カリフォルニア州のサンフランシスコとアルバニー、オークランド、イリノイ州シカゴ市のクック郡、コロラド州ボルダー。こうした結果は炭酸飲料水メーカーのコカ・コーラやペプシ、ドクター・ペッパー・スナップルなどにとって、事業環境がより厳しくなったことを意味するものだ。(時事)

日本でも一時話題に上がった砂糖税がアメリカでは可決された記事を発見しました。個人的には賛成です。

お酒やたばこと同じようにこれだけ食料が溢れている先進国では砂糖は嗜好・贅沢品と捉えて、無駄に砂糖を使用した食品飲料には課税していいと思います。砂糖入り食品を食べなくても十分エネルギーを確保できるだけの食品は手に入りますし、お菓子や炭酸飲料が値上げすれば自然と買う人も減り、砂糖による肥満や健康被害も是正され生活習慣病罹患数も減るのではない。と妄想します。(遠い未来には)

さて、そんな食品が溢れている現状で、お食事の受け取りを拒否するM様の事例です。

担当ケアマネジャーさまからの紹介で、健康食を毎日お届けさせていただくことになったのですが、認知症で短期記憶障害のみられるM様。面談時も

「ご飯は毎日炊いて食べているので大丈夫。おかずもヘルパーさんに食材を買ってきてもらって料理しています」と答えられましたが、同席頂いたケアマネジャーと後見人の方は「どこまで本当が不明、たぶんおかずはそんなに食べられていない。食事時間もいつも同じかもわからない」「配食で必ず用意してもらった方が安心」といわれ

ご飯は毎日炊いているから大丈夫とM様が強く言われたことから、また1膳でどの程度食べられているか比較的はっきりとお答えされたことから、ご飯の用意は大丈夫そうと、おかずだけ配食させていただくことに。

ところが、初回のお届けから、配送員に「今日で食事はやめます。もう持ってこないで」

二日目も「今日でお食事をとめてください。申し訳ありません」とおっしゃられ

三日目は「明日から停止でおねがいします」と本社に朝一に電話をかけてこられました。

ケアマネジャーさまから「最初の内は受取拒否があっても、ケアマネジャーさんからの依頼なので受け取ってください。食べてくださいね」と声かけして必ず渡してほしいとのことから配食を続けていましたが、それ以降も毎日同じことが続きました。

そこで担当の配送員に受け渡し時の様子をヒアリング

「食事自体はたべてるのかな?」と聞くと

「捨てているようすはなく、食べられましたかと聞くと食べた。味もいい」と答える。ただ、毎日必ず

「お支払いはどうなっていますか。生活が苦しい為止めたい」といわれるとのこと。配送員が推測するに

(お金は後見人さんが管理されている為、M様自身の手持ちは多くなく、それなのに毎日お弁当をもってきてもらっても食事代を自分は支払うことができない。だから停止してほしいと思っているのではないか)との報告を受け、あくまで推測ですがと前置きして配送員からの報告をケアマネジャーと後見人の方に連絡相談させていただくことに。

翌日、後見人の方がM様宅にお伺いして

「生活費は後見人の私が管理している為そのまま配食を続けるもらっても支払いは大丈夫ですよ」と説明していただき、少し不安が収まったようです。

それ以降も「お食事お断りします。」といわれるたびに、上記を説明させていただくと。

「あ、そうか」と受け取っていただけるようになりました。ご機嫌な時は

「昼食お渡し時、今日は特に停止希望など何も言われず、普通に受け取られた。機嫌良さそうで、天候の話など 会話もよくされていた。」との報告が配送員がありました。

<停めてほしい> そう発した言葉の想いに気付いてくれた感度抜群の配送員に感謝です。

はーと&はあと 管理栄養士 島田天心

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贅沢チョコ、カカオ70%ですが、砂糖使用なのである地域ではさらに値上げ対象商品です。日本は砂糖天国ですね。

こんにちは、京都管理栄養士の島田です。

冷え込みが厳しくなってきました。本格的に冬物を出してきて、春夏物で着なくなった古着は断舎離しました。

さて、まだ暑い季節に低栄養で相談をお受けしたY様(90代、女性、独居)

血液検査でアルブミン3.5という結果を受け、

「先生から少し低栄養が気になるので、栄養をとるようにいわれた」と配送員に声かけいただきました。

「お昼に持ってきてもらった食事を、多い時は昼夕に分けて、食べられる時は昼で完食して、その時は夕食は自分で好きな物を食べている」とのこと。

相談にお伺いした日は娘様も同席頂き、どのように栄養をとったらよいかを一緒に考えさせていただくことに。

Y様「ご飯はそんなに食べられないけど、おかずは好きな物なら完食できる。苦手なのは残してしまう」

娘様「一緒に住んでいないし、そんなに頻繁にもこれないので、食事が心配。これまでも気ままな生活をしていたと思うので低栄養で体が弱ってしまわないように、少しは食事を気をつけてほしい」とのこと。

高齢ですが、まだまだ一人で外出や買い物なども行かれているY様。昼は配食を利用していただいていましたが偏食と粗食傾向に傾いていたのかもしれません。

そこで

まず、夕食も配食でおかず食をご用意させていただき、バランスよい食生活をしていただくことに。食べたいものがある時何度は事前に配送さんにキャンセルの声かけをしていただくか、お電話いただくことに。

蛋白質を補給していただくために、たんぱくゼリーやドリンク、また牛乳や味噌汁などに溶かしても摂取できるプロテインパウダーなどをご提案。

その中から、おやつに利用できるゼリーと、朝の味噌汁に混ぜて摂取したいとプロテインパウダーをご用意させていただくことに。

昼夕お届けになったので、喫食具合を配送さんにヒアリングしてもらいながら、夏場は脱水予防の声かけも併せてお願いしながら三ヶ月後。

「先日Drから数値も改善され、誉められた。食事もしっかり食べられています。」と元気な声を聞かせていただきました。

検査結果はまだ未確認ですが、元気な声で感謝の言葉をいただけたことが栄養改善の成果です。

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ご提案させてもらったプロテインパウダー

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粗食にならないようにしっかりランチ

はーと&はあと 管理栄養士 島田天心

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管理栄養士プロフィール

  • 大都 宏子
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